ルパン三世、日本が世界に誇るアニメシリーズの一つでしょう。
その中でも特に人気の高い作品といえるのがこの『カリオストロの城』です。
一般人にとってルパン三世と言えばカリオストロの城ってレベルなんですが、なぜそんなに評価されているのでしょうか?
単純に「評価されるのは面白いから」ってのはつまらないので色々素人なりに考えてみようかと。
カリオストロの城はどんな作品? あらすじを紹介
宮崎駿監督にとって初の劇場監督作品となる劇場版「ルパン三世」シリーズ第2弾。盗み出した大金が偽札と気づいたルパンと次元は、偽のゴート札の秘密を探るため、カリオストロ公国へやって来た。そして謎の男たちに追われていた少女クラリスを助けるのだが…。
引用:Hulu
1979年に公開された劇場版ルパン三世2作目がこのカリオストロの城です。(一作目はルパンvs複製人間)
よく勘違いされがちですが、制作はジブリではありません。
1985年にジブリを創設する宮﨑駿の映画初監督作品であり、ジブリ自体は関わってないのです。
ただ現在人気を博しているジブリ作品独特のアニメーション演出が所狭しと散りばめられている感じはしますね。
ルパン三世と言えばカリオストロの城と言われるほど評価されている
映画ランキング専門サイト『映画格付』によりますと全33作品存在するルパン映画の中で最も高評価なのがカリオストロの城です。
僕自身もカリオストロの城好きで、小さい頃金曜ロードショーで放送されるたびテレビにかじりついていましたね。
しかし実は興行収入はカリオストロの城あまり良くなく、10億円を突破した劇場版1作目ルパンvs複製人間を下回っていました。
そのため映画放映当時はそこまで評価されている感じでは無かったようです。
ではなぜカリオストロの城は現在、これだけ評価される作品となったのか。考察してみます。
ルパン三世カリオストロの城が評価される理由を考察
- アニメーション演出
- 導入含めたストーリー構成、キャラ設定が逸脱
- 繰り返しテレビで放送された
僕個人での考えですが、上記が評価される要因となっていると思います。
特にアニメーション演出、ここが評価の秘訣かなと。
どうしてそう思ったのか各項目を詳しく掘り下げていきます。
カリオストロの城はアニメーション演出が光る
カリオストロの城は興行収入は良くありませんでした。
しかし関係者など業界人からの評価は高く、特にアニメーションに関しては賞賛の嵐だった様子。
例えばですが、序盤カーチェイスのシーン。
車で坂を登るシーンが有るのですが、ここの簡略化しつつも視聴者に状況を分かりやすく使える表現は素晴らしいんだとか。(素人からするとピンと来ないんですけどねw)
かの有名なスピルバーグ監督も「映画至上最高のカーチェイスシーン」と語ったそうです。
このシーン以外にも細部で光るアニメーション演出が関係者の心を震わせ、現在の高評価へとつながっているのではないでしょうか。
導入含めたストーリー構成、キャラ設定が逸脱
すこし作品制作などをかじったことがあるからこそ分かりますが、カリオストロの城は導入部分が美しいです。
開始早々から国営カジノの金庫から札束を盗み、そこから物語の本筋へとつなげる流れ。
言葉にすると簡単ですがこれがかなり難しいんですよ。
冒頭で掴みを重視すると本筋と離れたものになりがちで、引き込めても上手いこと次に繋げられないことって多いんです。それがカリオストロの城は完璧にできている。
その後のストーリーもそれぞれのキャラクターの見せ場が用意されていたり、熱い共闘シーンがあったりと目が離せません。
そんなカリオストロの城は実のところ本来のルパン三世シリーズとは設定が違うと言われています。
実際ルパン三世シリーズの原作者であるモンキー・パンチも「僕にはかけない優しいルパン」と。
しかしこの優しいルパン三世だったからこそ評価されたんじゃないかと僕は思います。
本来のルパン三世ままである毒混じりのキャラ設定だったら見る人を選び、結果的にここまで評価されることはなかったとそう思うわけです。
繰り返しテレビで放送された
これはここまで書いたようにそもそものクオリティが高いからこそではあるんですが、カリオストロの城は一年に一度ぐらいのペースで再放送されていました。
マーケティング的な考えになりますが、どれだけ優れたモノであっても露出経路が担保されていなければ評価されることはありません。
カリオストロの城は1979年に放送された作品で、日本テレビ系列の水曜ロードショーで1980年からテレビ放映されるようになりました。
その後も宮崎駿初監督作品ということで、1985年から始まった金曜ロードショーなどでも繰り返し放送されたことで露出経路が確保され高評価に繋がったのではないかと僕は思うわけです。
現に興行収入が低かったことを考えると映画経由ではなく、それ以外経由で沢山に人に認知されたはずですので。
カリオストロの城は評価されるべきではないというルパンファンの声もある
カリオストロの城は間違いなく高評価な映画です。
しかし実は一部ルパンファンから高評価なのはおかしいという声も上がっています。
これは途中にも書きましたが「キャラ設定がルパン三世シリーズからかけ離れているから」というのが主な理由です。
良くも悪くも宮崎駿監督の作品で、ルパン三世シリーズの作品ではないというのが理由の様子。
ただ沢山の人が認める通り面白いのは事実ですしなんとも言えないですね。
原作ルパン好きな人にとってはカリオストロの城に原作ぶっ壊されたみたいな感じでしょうし。
カリオストロの城が評価される理由についてまとめ
- アニメーション演出の凄さが評価のカギ
- ストーリー構成、優しいキャラ設定も評価の秘訣
- 原作ルパンを愛する一部からは不評ではある
原作ルパンとカリオストロの城が乖離しているのは事実でしょう。原作者自身も「僕には描けないルパン三世」とカリオストロの城を評しているわけですし。
ただ原作と違うから評価しないってのは違うと思うんですよね。
カリオストロの城が沢山の人に愛されているのは事実ですし、僕自身面白いって思うわけで。他人の評価なんて気にせず自分がどう思うかで考えたいものです。
ちなみに今ならHuluでカリオストロの城が見れます。(2017年10月時点)